ビンテージ時計の修理

2023年10月27日(金)

いつの間にかキンモクセイも散り、甘くてすっぱいあの香りも一年先までお預け。…とはいえ一年先の保証なんてどこにも何も無いんだなぁ。 ふとそう想えると、途端に身の回りの全てがただただ愛おしく感じはじめる…。 感傷に浸って悲しくなるアレではなくて、人生そのものは本来『そうゆう事』なんだなって思い出す。 だからこそ、積み重ねられた想いの詰まった時計達を復活させるお手伝いが、少しでもできたらいいな て、そんな事を想ってはじめた過去の自分を、別の階で感じている 2023年 秋。

小さな時計屋 週に一度の定休日、その時にしかできない予定がぎっしり詰まる。手元のスケジュールを確認するとひと月半以上先までは確実に空きはない。その隙間にもまた予定が入る…。いつしか完全オフはほぼ皆無のまま時が流れてゆく。 やる事があるのはとても有り難い事。 一方どこかで忙しさを言い訳に、自身がやりたい事を後回しにしたままにしている現実も。 絶対的な本質を、生涯忘れずに在りたいものです。 

『心のゆとり』自分自身が心から満たされているからこそ 溢れる想い を誰かの為に愛を持って注げる。

唯一の言い訳は『お仕事だから』そんなこんなの日々でも、沢山の時計達が気持ち良さそうに復活の時を迎えてゆく、それが堪らなく充実感を届けてくれる。

親から子へそして孫へ。大切な記念日の想い出に。大切な存在からの贈り物。内容はさまざまでも、誰もがナニカしらのご縁が紡がれた時に、時計を手にする。そうゆうモノ、時計は時のはかりだから。 修理屋として特に想うのは、大切に積み重ねられた想いと共に時を紡いできた時計をどう扱うか、コレが時の流れを創ってゆく、ということ。

手元の時計(もちろん時計だけじゃない)を整えることは、御守りを持ち歩くことや、手を合わせ祈ること、と似ているのかもしれない。昔から先人達が続けてきたであろうひとつひとつの所作には全て意味があり、そのひとつひとつのコトこそが その先を導いてゆくのでは無いだろうか。少なくとも私はそう感じている。

特にココのところグッチ・シャネル・カルティエ・エルメス、をはじめとする年代物のブランド時計修理のご相談が増えている。その理由がどうでアレ、想いと共に時を刻んできた時計達が復活の時を迎えられる状況に在る、という事が幸いな事と想える。ご縁をいただいた時計が気持ちよく時を刻める様に出来得る限り整え、想いを込めてお渡しするコトで、少しでもその先の流れを変えて(整えて)ゆけたらいいな、なんて理想が膨らむ。

今日も長い独り言をあれこれとつい…、歳のせいかな笑💦 最後まで聞いていただきありがとうございます!!

感謝✨

どうぞ皆さまそれぞれに良き時が刻まれます様に。