2024年5月3日(金)
コレはやるけどアレはやらない、年代とかブランドとか …ラベルでそうゆことを決めるのは なんか…好きじゃない。 出来ることはできる限りやるけど出来ないことはごめんなさい、の方がしっくり来る。 だから、小さな時計屋はそうしている。 年代物の時計もここ最近のソーラー電波やGPSの時計も、腕時計だけでなく懐中時計やクロックも。 出来ることの中ででき得る限り、を叶えるために20年間少しずつ広がったご縁の輪に今更ながら、感謝しか無い。 メーカーや職人をはじめ各材料の取扱い業者、特殊加工業者、など。おそらく想像よりも、うんと多くのプロフェッショナル達の想いと技術に支えられ、修理業界の片隅でこうして奇跡的に生かされている。
全てがそれぞれ症状も状態も違うモノの修理。それは人間の身体を診る医療従事と同じ様だ、とつくづく感じている。中でも年代物のアンティーク扱いの時計達については、やってみなければ分からないところも多く、リスクや手間暇をお持ち主様にどうお伝えしどうご理解をいただくか、コレから益々課題となってゆくと感じてもいる。
長年大切に使い続けているからこそのキズや劣化を残し残さず、調度良い具合いに手を入れる。いかに手を加えながらその先のお持ち主様の相方としてトキを刻んでゆけるかに注力する。
アレもコレも交換して新しくすれば良い、ではない世界線…… 家具や家もそうだろう、そこに宿った人々の想いを受け取る想いでイイアンバイに。 年代物のアンティーク達が刻むトキの音に耳を澄ませて聴いていると、たまらなく愛おしくなるコトが在るから不思議なモノだ。
「あちこちのお店で修理不可と言われた」「近所のお店で断られて直せなかった」「高すぎて無理だった」いろいろなお声を伺いますが、他店様の基準はそれぞれでしょうから分かりかねます。うちはあくまでのうちの経験と基準でお受けしています。思いのほかスムーズに調子を戻せるモノもある、修理中盤になって力及ばずお返しになるモノも時にあるかもしれない。
ただ、言えるのは、
モノには使い手の(また贈り手の)想いが宿る。 そうゆうコト。
だとしたら。想いを込めて携わらせていただく事で、何かしらの力が働かないとも限らない、と……。
全てのご縁に感謝しできる事をでき得る限り、精一杯携わらせていただきます✴︎
アンティーク時計の修理