時の流れはそれぞれ
時間。時の間。…1日は24時間、1時間は60分、1分は60秒。
人がそう決めたから、そう。
そしてその数字に従い人は時を測り、数字を信じて過ごす。
時計修理のお仕事をさせていただき始めて、かれこれ15年と数ヶ月。
毎日数十種類の時計に出逢い続ける中で想う事…。
人が分かりやすくするために決めたその目盛りの曖昧さと不思議さ。
「まだ5分前」はとっても長くも感じ、
「あと5分だけ」と想えば驚く程短く感じる。
計りである時計があるから、それを見て判断し従うけれど、本来は、
砂時計の砂粒のイロ、カタチ、の様にそれぞれ。
都会で、走り回って忙しく活躍する人。
田舎でゆっくりのんびりじっくりと時を味わう人。
もちろん密度が違うし時の流れの感覚も違う。
皆違ってどれもがOK、それぞれの納得できる時間を過ごしてゆく…。
そんな「密度基準の時計」があったら面白いのになぁ〜。
なんて事を、妄想の中で思って1人ニンマリしたりする訳です(笑)
ここ数十年、携帯電話やインターネット業界が急激な進化を遂げ、
なにもかもが便利になり、驚く程便利になりすぎた事で、人は効率を追求し過ぎ、
負荷を掛けず生きる事を可能にし、その反面少しずつ人は退化し、
やがて考えなくなり、動かなくなってゆく…。
そんな現実。
昔の家は土間があったから、おうちの中にあちこち段差があったからこそ、
お年寄りの足腰がしっかりしてた。と、ある方からそんなお話を聞いたことがある。
「昔が良かった。」て話ではないけれど、効率重視で良いのかな!?て 。
時計も然り。 修理せずに使い捨て。
修理ではなくムーブメントの入れ替え、が当たり前の様に
なってゆく時計業界…。
カーナビが無かった頃、
出かける前にゼンリンの地図を見てしっかり予習して出かけていた。
今は知らなくても調べなくても真っ直ぐ迷わず行ける。
「自宅に帰る」ボタンひとつで迷わず帰宅。
思わぬ寄り道や迷子になった事が素敵なご縁に繋がり、
トラブルこそがいつまでも記憶に刻まれる、そんな考え方はもはや化石なのか(笑)
そんな事をあれこれ考えるものまた時空の旅だったりする。
時の流れについて、あれこれ妄想するのは本当に面白いものです。
う〜〜〜ん!!楽しい♡
そして幸せだぁ〜!!!
ありがとうございます。