アンティーク時計の修理
想い出の歴史が詰まった手巻き時計の修理のご相談をいただき、
携わらせて頂いた。その時計はSEIKOセイコーの手巻き時計。
文字盤はシミやサビ、何より経年劣化が進んでおり、変色がひどい状態。
風防ガラス(プラ)は傷と歪みが生じていて、文字板が見づらいほど。
ケース全体、ベルトもキシキシ、……。
使用感、その後の放置時間をも醸し出された、歴史いっぱいの手巻きSEIKOでした。
ご相談下さった方から、「もしも、動くのであれば、是非動かしたい。」と
切なる想いを伺い、なんとかする方法を…と。
修理が始まりました。
先ずは風防を外し、ケース・ベルト・リューズ、いわゆる時計の外装全てを、
特殊液体の注がれた超音波洗浄機の中で充分な時間をかけて、洗浄&クリーニング。
文字盤はリダンし再塗装。風防ガラス(プラ)は別作オーダーでお作りさせて頂きました。
ムーブメントは全てばらしパーツを全て洗浄し、一から全て新しい潤滑油と共に
組み立てなおし。時計の向きなどによる姿勢差が少しでも安定して使える様に、
精度調整をさせていただきました。
文字版はキレイに再現され、別作でお作りした風防ガラス(プラ)もピタッと収まり、
外装は充分に洗浄され、手巻きし時間を合わせて動き出し、そっと近づけ耳を澄ますと
「チッチッチッチッ…」よし、お利口さん♡ イイ音がする。
生きてる!!て感じが、時計から湧き出している。(て気がします)
まるで生まれ変わった様で、仕上がりを手にした瞬間は毎度の事ながら、
感動します。
キレイになりすっかり「想い出の復活」の準備完了!です。
お持ち主さまの腕の中で、馴染み、心地よく時を刻み、紡ぎはじめることが
できた時に初めて、修理完了!!「想い出の復活」の時です。
想い出の詰まった時計や貴金属。譲り受けや、形見、など。
お手元に動かなくなった時計が眠っていませんか?!
もしフッと思い立つ瞬間が来たら、復活させてみませんか?!
精一杯お手伝いさせて頂きます。
節分前日だからでしょうか、新たな始まりについて想うことの多い月初です。
感謝。