2023年3月7日(火) 『本日火曜日のため定休日です』
極寒の地下街で、冷え性の身を守ってくれていた愛用のニットやマフラー達、ウールはさすがにもういいかな、って。 毎日少しずつお洗濯して片付けをすすめている。時々ぐっと寒くてまた使用したりもしながら。 しかも花粉が気になりお外に干せないのだから。 『お洗濯して片付ける』これが意外と気が必要な家事なのだ(なんでもそうか)、と気付かされ。 ご家庭の主婦をされておられる方々のご苦労を想像すると、ホントすごいなぁ〜！！て。
なんでも自動、時短で簡単になってゆき、ただ効率を良くすることがイイコトみたいな世の流れ。うがった見方をすると手抜きにも観えたりして私にはどこかピンと来ないとこもある。 時計・ジュエリー修理を生業としているからかな(笑) 手間ひまかけて技術と想いを込めて向き合う必要があること。作業を簡素化すると問題が生じる。 効率が良くない類のコトこそが、私基準のイイお仕事に繋がっていると確信しているから。
時計フォリフォリの電池交換でご利用の際に、ケースベゼルのラインストーンが欠落している部分について共に対応させていただきました。欠落後の石穴を綺麗にし、ストーンの形状をピタリと合わせてお取り付け。これを対応できる様にする為にお取寄せして何種類ものストーンサイズを揃えています(笑) それでも無ければ探してまたサイズを増やす、この繰り返しです。スタッフの手仕事できれいに蘇りました、ありがとう&おめでとう。
こちらはこの季節引き出しから登場するパールのネックレス。糸切れや留め金具の破損などでご相談が増えます。丁寧に手作業でクロスで拭き上げ糸替え(ワイヤー仕様)させていただきます。
規模感のある同業他社様は(もちろんそれぞれですが)、多店舗を展開しその店舗ごとのレベルを一定に必要があるため、リスク回避、手間暇のかかること回避、で少しずつできないことを増やしていくしかないという現状が在る。 「できるけどやらないこと」が増えてゆく流れの横で、モノ達が大切にされる方へ導かれるはずはなく…。 大きな流れに逆らっても仕方ないので、小さな時計屋は小さくただできることをできるだけやらせていただく、それだけ。大きくもならないし、そもそも大きくはしない。
数十年前に耳にしたお話で、心に残っていることがある。 朝から掃き掃除・拭き掃除をすることは、全てを掃き清めること。 という内容のお話だったと記憶している。 お掃除はもちろん、お洗濯やお料理、お仕え事(仕事)も同じ。全てに意味があり一見手間のかかることほど深い意味を持ち合わせている、なんて感じたりする今日この頃。
文明の利器も使わせていただきながら、自らのてまひまこそを楽しめる生き方をしたいものです。
梅から桜へとバトン渡される季節、どうかそれぞれに良き流れに導かれます様に。
