2020年10月30日(金)
小さくても、時計は小さな機械製品の一種。
クォーツ(電池式)とは言っても、電池さえ入れたら動く、という訳でもなく。
止まり・狂いが、必ずしも、電池切れとは限らない。
てことで、ちょっとした不具合の例をご紹介します。
(NIXONニクソン/外装洗浄クリーニング・電池交換)
電池交換にお持ちいただいた際、ガラスの内側が曇ってしまっていることに気づき、
汚れ落としのクリーニングと動作チェックに重点を置き作業させていただきました。
「曇っている」ということは水気や湿気が入ってしまった跡、という証。
動作も問題なしと判断、外装もピカピカになりました〜☆
(ヴィヴィアンW/秒針の挿し直し)
時計を床に落としてしまった際に、秒針が抜けてしまったとの事で、
文字盤の上で外れた針が自由にお散歩していたため、針の挿し直しと、動作確認を
させていただきました。気持ちよさそうに動き始めました。
ただ、はまっているはずの針が抜けるほどの衝撃を、ガツンと受けた時計。ということ。
今後、狂いや止まりが生じるような事があれば、改めてお声がけいただくことになります。
(キネティック/自己診断による破損/ムーブメント交換)
あと、番外編でこんなご相談も。(これは時計がかわいそうな事象でした)
「自分で電池交換をしようと、触ってみたけど動かなかった。」とのことでお持ち込み…。
半分電池。半分機械式のAGS(キネティック)時計なので、電池交換を含め、
ご自宅で触る時計ではないのですが…。 一本でもキズや破損があれば通電不良で
時計は動作しない。そのコイル部分が、見事なほどケバケバに…。
あ………。初めてこんな状態を目にした…。
これはもう職人の作業の範疇ではなく修理は不可能事象です。
ムーブメント事のごっそり交換(エンジン載せ替え)しか救う手立てはないかと。
1980〜90年代あたりの年代物。 これは高いハードルが置かれました。
先ずは、パーツ探しからスタートです。
ちょっとした不具合が起きてからの、初期診断。
そして適切な治療により、無事に早期解決することもあれば、こじらせ、悪化し、
修理不可能になることもあるのです。まるで私たち人間と同じですね。
「お金出せばなおるんでしょ?」
「最初に金額が分からないのだから、見積もりやキャンセルは無料で当たり前だよね!」
「とにかくごちゃごちゃ言わずに電池だけ入れてくれればいいの!!」
そんなお言葉を、耳にし、心がチクンとする事もございますが、どうぞ皆様、
モノ(時計・ジュエリー)も私たちと同じだと思うのです。 どうぞ気持ちを向けて
大切になさって下さいね。
そして、ーあれ!?と思ったら、初期診断&早期発見!!
コレが、一番ですよッ☆
週末と、月末と、満月と、が重なる2020年10月末。
どうぞ皆様、心温かな週末をお過ごし下さい。