SEIKOキネティック

2020年10月20日(火)

「SEIKOキネティック」

自動巻きとクォーツを足して割った。といえばイメージしやすいのかな!?

発・充電自動巻き機能付きクォーツ時計。!?!? (笑) かな…!?!?

自動巻きオートマティックの時計同様、ローターがついていて、腕を動かす、

などの日常動作によって自動発電し内蔵の二次電池に蓄電して、

クォーツ時計のように動作する。

クォーツ時計の様に2〜3年に一度の電池交換する必要がないので手がかからない。

という事で人気のようです。

ただね……。

クォーツ式と自動巻きのいいとこ取りしただけの時計か!? て事なんです…。

両方のメリットをチョイスした分、両方のデメリットもチョイスしている訳ですよ。

これは当たり前の理屈かと思うのですが、良いところだけを説明してウリにする

販売業界が多いから…。

メンテナンスの時はじめて、お持ち主さまがデメリットに気づく…という

なんとも残念なことが多くて、修理に携わりながら、悲しくなります。

通常の電池式時計のように、1000〜1500円/2〜30分で電池交換できる!?

そんなモノでは無いのです…。

ローターの動作不良などによる発電不足なのか?

発電はできているのに、二次電池が不具合を起こし、充電不良になっているのか?

はたまた、発電充電には特に異常はなくて、動作不良を起こしているのか?

これが見た目で判断できない。

てことで、当店では、先ずキネティック専用充電に時間をかけ、充電状況、

及び放電時間を確認。( ※ その判断に、1週間〜10日頂きます/@0)

その上で、ある程度の年数経過したキネティックについては、

動作不良の可能性が有ると判断した場合、オーバーホール(分解掃除)

と、二次電池交換のセットで対応させていただくことにしています。

( ※ オーバーホールとなると1ヶ月程度いただきます/@15,000〜25,000)

電池交換だけをしようと思って時計店に持ち込んでも、実際は1ヶ月ほどの納期と、

程々の予算がかかってしまう。と言うことなのです…。

メリットとデメリットを両方精査し、それぞれが何を優先してチョイスするのか、

てことを、購入者の方に寄り添ってご提案ができるお店が増えたらいいのになぁ〜。

そんな業界になれたら、絶対生き残れるし需要はいっぱいあるだろうなぁ。

自分の店や個人に課せられた販売目標額の達成も必要かもしれないけれど、

もう少しだけ……。

使い手の身になって、その方のベターいや、ベストを共にお探しするコンシェルジュ

の様な販売員さんがこの先増えてゆきますようにと、修理屋店主として、

切に願うばかりです。

業界の10年、20年、いや50年後、その灯火を消すことのないように、今こそ

この業界の在り方を考え改めるべき時なのにな…。

小さな時計屋は修理に力を入れている、だからこそ気づけるコトもある。

そこで知り得たことをお伝えできるように、何かできないかな。

そんな事を考え中(笑)

本日は火曜日のため小さな時計屋は定休日です。

どうぞ皆さま充実の1日をお過ごし下さいませ。