唯一無二の存在

2020年9月24日(木)

大正10年 9月24日土曜日。

熊本県熊本市中央区のとある歯科医院のお屋敷に生まれた男の子。

弓道などで精神を鍛え心を磨き、そして辛い戦争を経験した後 片方の耳が

聞こえづらくなった事以外は身体に不自由はなく、戻るべきところへ戻り、

歯科医院の優しい院長先生になられた。

ご近所では優しさと面倒見の良さで 有名な院長先生だった様。

現に、今でもそのご近所に、当時のイケメン先生の笑顔と声をハッキリと

覚えてみえる方がいらっしゃるからたまがるッ (笑)

昭和46年9月。初孫が産まれたことによって彼は「おじいちゃん」になった。

そう、私のおじいちゃん(笑)

昭和50年頃のこと、私の記憶では、毎朝決まって静かに静止し、その後柏手を打ち四方拝。

背筋がすっと伸び姿勢良く立ち祈る姿が、朝陽に照らされ美しかったのを

今でも記憶している。

暫くすると、応接間にあるデスクで何かをゴソゴソ、そしてガリガリガリッと静かに音を立てて、自らコーヒーの豆を挽いていた。

応接間の革のソファに座り、新聞を読みながらコーヒーそして大好きなタバコ。

これが毎日のルーティンだった。

奢ることなどなく、愚痴や不平不満を口にすることもなく、人を責めることもなく。

いつも静かに、優しく、周りを見廻し「よかよか」と…。嬉しそうに、微笑んでいた。

おそらく生涯、人として誰よりも尊敬し、目標とし、そしてなにより…。

感謝しても仕切れぬ、唯一無二の存在。

昨日、久しぶりに出かけたお使いの途中、銀杏の木が重たそうに垂れ下がっているのを

見つけた…。 もう銀杏の実がなる季節なのですね…。

銀杏を見ると熊本の街を想い出す。

名古屋と熊本が、あの頃と今とが、ずっとずっと過去の歴史といまこの令和の時代とが、

ほんのすぐそこで繋がっていると想える瞬間を感じた。

祖父の99年回目の生誕記念日。 毎年3人でしていたお祝いを、1人でする様になりいつの間にかもう7年が経つんだね。  いつもそばにいるから、決して寂しくはない。

カフェで季節限定のケーキを注文すると、

コーヒーのイイ香りがするケーキが目の前に!!

その上、祖父が大好きだった「最高レベルの甘さ」の効いたくるみのキャラメリゼ(笑)

…偶然にしてもさすがに、こんなのアリかぁ!?  ……いやいやナシでしょ!?

食べながら涙ワンワン出ちゃった (笑)

あまりにも、おじいちゃんが喜びそうなケーキなんだもん!!

それにしても。

99年前の今日無事に産まれてくれたから、大正、昭和の激動の時代を生きながらも

優しさのかたまりの様な魂を持っていてくれたから……、

いま私がこうしてココに在る…。

全ては、縁であり、絆であり、感謝。 そして、全ては奇跡という名の、必然。

に他ならない。

改めて全てのご縁に心から感謝いっぱいです。

ありがとうございます。